CROSS TALK 01

機械系学科出身者 クロストーク

機械系の技術が活きる。試される。

機械系出身者が、活躍できる場所。

機械系の技術が

活きる。試される。

機械系出身者が、

活躍できる場所。

神戸製鋼では、機械系学科の出身者が数多く活躍しています。素材系、機械系、電力と多様な事業領域を持つ神戸製鋼において、機械系の知識や技術がどのように活かされているのか。日々、どんな仕事に挑戦しているのか。機械事業部門、素形材事業部門、技術開発本部とそれぞれ異なる部門で働く先輩社員三人に話をお聞きしました。

TALK MEMBER

高砂製作所

機械事業部門
技術本部
回転機・機器技術部
スクリュ室

Tさん

工学部 機械工学専攻 修了
2017年入社

熱エネルギーの有効利用を目指した研究を行なっていたことから、プラントエンジニアリング業界を見ていた。エンジニアリング部門をもつ企業として神戸製鋼を知り興味を持つ。

高砂製作所

素形材事業部門
鋳鍛鋼ユニット 鋳鍛鋼工場
製造部 鍛圧室

Sさん

工学部 機械工学科 修了
2017年入社

機械工学を専攻し、材料科学研究室に所属していた。鉄だけでなく、機械、電力など事業分野が幅広く安定した経営基盤があるところが入社の決め手となった。

神戸総合技術研究所

技術開発本部
ソリューション技術センター
成形加工研究室

Sさん

工学部 機械工学専攻 卒
2018年入社

大学時代、板材の成形加工や塑性加工の分野を学んだのちに、神戸製鋼へ。インターンシップで技術開発本部の業務を経験し、そこで働く社員の人柄に惹かれて入社を決めた。

仕事の内容について

Q. はじめに、皆さんの
業務内容を教えてください。

S
S

私は技術開発本部のソリューション技術センターに所属しています。当社の材料である鋼板やアルミ板、銅板を使用する際に必要となる成形加工技術や自動車部品の構造開発を行うとともに、自動車メーカーなどに技術提案・支援を行うことで材料の拡販を目指しています。

S
S

私は素形材の鋳鍛鋼ユニットで、船舶向けや一般産業向けに製造している大型鍛鋼品の熱処理・ガス切断・精整工程の生産技術業務を行なっています。例えばユニットの主力製品であるクランクシャフトは、船舶用エンジンの主要部品。ピストン運動を回転運動に変換させるため、強度が求められる製品で、その製造工程においても品質の安定化が不可欠です。生産性の向上やコストダウンと同時に品質を守ることに力を入れています。

T
T

私は機械事業部門で、圧縮機の設計を担当しています。圧縮機とは気体を圧送する機器で、ものづくりの現場には欠かせない装置のひとつです。工場見学に行った時に見た圧縮機が、純粋にモノとしてかっこいいなと思い、心惹かれました。どんな工場にもある機械なのですが、実は圧縮機は、工場の大半の消費電力を占めている機械でもあります。この圧縮機の高効率化に貢献できたら、世の中全体の省エネに貢献できると思ったことも入社の決め手になっています。

機械系出身だからこそ
感じる魅力とは

Q. 皆さん機械系学科出身なので、
機械系の観点から
仕事の魅力を教えてください。

S
S

お客様の自動車構造や部品開発に対して、材料とセットでソリューション技術を提案していく仕事には、幅広く機械系の知識や技術が必要とされるため難しさもありますが、非常に面白いです。例えば、部品の試作段階における治具の製作やその後の圧壊試験には材料だけでなく材料力学などの知識が不可欠です。素材系、機械系、電力と多様な事業領域を持つ神戸製鋼において、材料を扱う上では機械系の技術や知識が欠かせず、機械系出身者が大いに活躍できる環境であると感じています。

S
S

私が製造に関わる製品の中には、軸部と偏心部の部品をそれぞれ組み合わせてつくる組立型クランク軸があり、大きいものだと総重量は400~500トンになります。ダイナミックなものづくりに携われることも魅力です。組立型クランク軸は船舶用エンジンに用いられるのですが、当社は現在、世界シェア25%、国内シェア80%という高いシェアを占めています。大型船を見るたびに神戸製鋼のクランクが使われているのかなと思ったりして、ものづくりを通して社会に貢献しているという実感もありますね。さらに、当社は製鋼から鍛造、加工までを一貫してできる国内唯一のメーカーでもあります。他では真似することのできない技術があるというところも、機械系出身として非常にワクワクするポイントだと思います。

T
T

ものづくりのスケール感は、まさに私も学生の頃に惹かれたポイントですね。機械系出身の方にぜひ伝えたいのは、機械設計の仕事は「分からないことだらけ」ということ。学生の頃は、お客様の仕様に合わせて淡々とものをつくるイメージを勝手に抱いていましたが、実際には分からないことがいっぱいあって、一つクリアしても、次々に難題が出てくる。例えば圧縮機の場合、コストを抑えるために高回転にすると、これまで経験したことのない圧力や回転数に挑戦することになる。同時に振動や騒音といった新たなトラブルも出てくる。そんな時は研究所に協力を仰いでチームで解決していくという面白さもあります。

印象に残っている仕事

Q. 達成感を得られた瞬間や、
思い出深い仕事について教えてください。

S
S

クランクシャフトの他にも、製造難易度の高い大型鍛鋼品をつくることもあります。形状が特殊なものをつくる時には、どのように製造するか、事前に他部署とも連携しながら検討を重ねていきます。無事にトラブルなく自分の工程を過ぎていったときは、やはり達成感がありますね。思い出深いのは、360トンほどの厚板バックアップロールの製造を担当したこと。このバックアップロールは、圧延機の構成要素のひとつで圧延加工において欠かすことのできないもの。材料に直接圧力を与えるワークロールのたわみを防ぎ、間接的に圧力を与える役割を担います。この時は加古川製鉄所向けに製造したのですが、かなり巨大な製品なので焼き入れの風景も圧巻でした。出荷前に製品の前で写真を撮ったのですが、あまりの大きさに、自分がかなり小さく写っていたのもいい思い出です(笑)。

S
S

自分がどんな仕事をして、どんなものをつくったか自信を持って話せるのも、この仕事ならではですよね。私は、技術提案・支援をした案件で当社材が採用された経験が特に印象に残っています。電気自動車の電池ケース保護に使用されるアルミ板だったのですが、事業部や営業の皆さんと連携して提案活動を行いました。どのような材料であればお客様の求める形状に成形できるか、どのような形状・板厚であれば車外からの衝撃に耐えうるかを評価しました。最終的に採用が決まった時は嬉しかったことを覚えています。国内ではなく中国向けの車両に使われるようですので、中国に行く機会があれば実際に走っている姿を見てみたいと思っています。

T
T

自分たちの仕事が、多くの人の目に触れるというのも技術者のやりがいですよね。私の担当する圧縮機は、工場の中にひっそりとあるので、あまり一般の方には知られていないのですが(笑)。密かに嬉しかったのは、入社3年目の頃に当時世界最大級の圧縮機の設計を担当できたこと。受注してから試運転を行い出荷するまで、すべて設計の主担当として携わることができたのは自信につながりました。まだまだ駆け出しだった私に、大きなプロジェクトを任せてくれたのは、今振り返るとすごいことだなと思います。

アピールしたい魅力

Q. 学生の皆さんにアピールしたい
魅力はありますか?

S
S

Tさんの話もそうですが、会社としては規模が大きいけれど、年功序列ではなくて、若いうちからどんどん仕事を任せてもらえるところは、やはり魅力だと思いますね。どんどん任せるけれど、丸投げするのではなくて、先輩たちがしっかりコーチングしてくれる。任せっぷりもいいけれど、面倒見のいい会社だと思います。

S
S

チームとして課題を解決していく文化がある点も、いいところだと思います。異なる部門同士がコミュニケーションを取りながら、新しい技術を生み出そうとしています。社会課題である環境への取り組みや社会インフラへの貢献などさまざまな成果を上げており、自分たちの技術が確実に“あしたにいいこと”につながっていると思います。

T
T

カーボンニュートラルをはじめとして、神戸製鋼が実現できる“あしたにいいこと”に対する社会の期待は、高まっていると感じます。私が担当している圧縮機はどんな気体でも圧縮できるので、例えばアンモニアや水素に今後エネルギーが切り替わっていく過程で貢献できるところもたくさんある。現にそういった分野の開発も進んでいます。これから神戸製鋼に入社する人たちが、技術者として活躍する頃には、環境対策がさらに進んで、新しい案件がどんどん増えていくので、すごく面白い分野に挑戦できると思いますね。

T
T

あとは福利厚生も魅力、というのも付け加えておこうと思います(笑)。働きやすい環境が整っているし、給与面も同業他社と比較しても遜色がない。20代後半や30代前半で家を買う社員もいます。かくいう私も31歳で住宅を購入しました。

S
S

多様な事業領域を持つ安定した会社だからこそ、長く働くイメージが持てるので、若いうちにマイホームを購入する人がいるのかもしれませんね。

これからの抱負

Q. 最後に、これから挑戦してみたいことに
ついて教えてください。

T
T

今私が携わっている設計業務のもっと手前に、新しいお客様の開拓や、新しい案件を獲りに行く技術営業的なポジションがあります。その仕事は、技術力のあるベテランの方が担当しているケースがほとんど。5年後くらいには、そのポジションに私も挑戦してみたいですね。

S
S

入社してからこれまでずっと鋳鍛鋼工場の鍛圧室にいるので、今後は別の工場も経験してみたいですし、より全体を俯瞰できる開発業務や管理側の業務も経験してみたい。自身の技術や能力を高めていき、いずれは全ての工程を踏まえて製品の製造設計を行う仕事にも挑戦してみたいと思っています。

S
S

自動車の構造や材料は、コモディティ化しているところもあって、大体同じような素材・構造・成形方法になってしまいますが、新しい視点から他社に先行した提案ができるよう試行錯誤しつつ面白いと思ってもらえる技術を開発し続けたいと思っています。