あしたにいいこと
PROJECT 01
ものづくり企業のカーボンニュートラルを後押しする。
Kobenable® Steel
ものづくり企業の
カーボンニュートラルを後押しする。
Kobenable®
Steel

KOBELCOグループは、独自のCO2低減ソリューションにより、高炉工程におけるCO2排出量を大幅に削減することに成功しました。この削減効果を活用して国内で初めて商品化したのが低CO2高炉鋼材『Kobenable® Steel』です。エンジニアリング事業と鉄鋼事業の技術を掛け合わせることで生まれた『Kobenable® Steel』は、カーボンニュートラルの実現を加速させる商品として多くの企業から注目を集めています。

製鉄プロセスを改善し、
日本のカーボンニュートラル実現に貢献する。
近年、世界共通の課題として挙げられている、気候変動。その原因となっているのが、二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの排出です。鉄鋼業におけるCO2排出量の割合は下図のとおり高く、日本有数の鉄鋼メーカーの顔も持つKOBELCOグループとしても、この状況は看過できないものでした。そこで当社では、 CO2排出削減への取組みを経営上の最重要課題と位置づけ、2050年のカーボンニュートラルへの挑戦を表明するとともに、 CO2排出量の約90%を占める製鉄プロセスに着目した製品・技術の開発の深化に取り組みました。

エンジニアリング事業と
鉄鋼事業の技術のかけ算により、
従来比25%のCO2を削減。
当社の鋼材は「高炉法」によってつくられています。高炉法は鋼材のもととなる“鉄鉱石”と、それを鉄に還元する“石炭(コークス)”を用いた製鉄方法。不純物の少ない高級鋼を大量生産できる一方で、コークスを使用するため多くのCO2を排出するという課題を持っていました。そこで注目したのが、エンジニアリング事業の当社100%子会社であるミドレックス社が有する技術である『MIDREX®プロセス』です。『MIDREX®プロセス』では、天然ガスを改質した還元ガスや水素で鉄鉱石を直接還元することで、鉄鋼原料である還元鉄をCO2の排出量を抑えて製造することができます。こうしてできた直接還元鉄「HBI」を高炉に大量装入することでコークスの使用量を減らし、CO2の排出量を抑えることを試みました。コークスを減らすと高炉内の温度調整が難しくなる等の課題については、長年培ってきた高炉操業技術(高炉へのHBI装入技術の深化、AIを活用した操炉技術、KOBELCOグループ独自のペレット改質技術、衝風制御技術)を用いることでクリア。エンジニアリング事業と鉄鋼事業の技術を掛け合わせることにより、製鉄プロセスにおいてCO2排出量を従来比25%削減できる技術の確立に成功しました。

『Kobenable® Steel』は現在、
建築や船舶、自動車など、
あらゆるものづくりに
使用されています。
『Kobenable® Steel』はKOBELCOグループのCO2排出削減技術により創出した削減量を第三者機関の認証を取得した上で、マスバランス方式※を適用して任意の鋼材に割り当てることで、製造時のCO2排出量を大幅に削減した製品です。メニューは、鋼材トン当たりのCO2排出量を50%もしくは100%削減したものを用意しており、『Kobenable® Steel』を購入されたお客様は、お客様が製造する製品のCO2排出量(スコープ3)を低減できるようになりました。また、従来製品と同等の品質を維持しているため、特殊鋼や超ハイテンといった高品質が求められる製品にも適用可能。2022年5月の販売開始以降、さまざまな業界からの関心を集め、現在は複数の大手自動車メーカーや建設会社、造船メーカーで採用されています。『Kobenable® Steel』に代表される、製造時のCO2排出量を大幅に削減した通称“グリーンスチール”は、カーボンニュートラルの実現には不可欠です。グリーンスチール市場のさらなる拡大を目指して、KOBELCOグループは大きな一歩を踏み出しています。
※マスバランス方式:一般社団法人日本鉄鋼連盟「マスバランス方式を適用したグリーンスチールに関するガイドライン」に準じ、
鉄鋼メーカーでのCO2排出削減量を証書化し、一部の鉄鋼製品に割り当ててCO2排出原単位の低い鉄鋼製品とみなす方法。



※画像はイメージです
