
常識を覆した日本で初めての内陸部の火力発電所
2022.3.1
半世紀にわたる自家発電所の運転実績
2011年3月の東日本大震災以降、社会におけるさまざまな価値観が変わったことを実感する人は多いに違いない。震災後の計画停電を経験し、エネルギーは当たり前に供給されるものではないと感じたであろうし、今後予測される首都直下地震・南海トラフ巨大地震などへの備えも、重要かつリアルな事柄として認識することとなった。
実は神戸製鋼所には、主力の鉄鋼事業に伴って、半世紀以上にわたって自家発電所を運転してきた実績がある。加えて電気事業法の改正を受け、2002年には兵庫県神戸市において、140 万 kW
の石炭火力発電所を建設。大規模な電力卸供給を開始するなど、電力事業に力を入れてきたことはあまり知られていないかもしれない。
東日本大震災以降の電力需給のひっ迫と、電力自由化の流れを踏まえて電力事業の拡大に取り組んできた当社は、2019年栃木県真岡市に新たな発電所を建設した。地震の発生確率が低く、津波被害に遭う危険のない内陸部に立地する日本初の本格的な火力発電所となるもので、同年10月より1号機の運用がスタート。2020年3月には2号機を含めた全面的な営業運転を開始した。

内陸部の火力発電所はなぜ安定供給ができるのか?
従来型の大規模発電所が立地する東京湾岸や太平洋岸と比べ、内陸部は地震発生確率が低く、地震に伴う津波被害に遭うことがないため、もしものときにも電力を安定的に供給できる可能性が高い。併せて、発電所直轄の関東北部への安定的な電力供給だけでなく、海の沿岸部で発電される電力への依存度が高い首都圏エリアにとって、貴重なバックアップ電源となることが期待される。
発電の燃料も東京湾岸の京葉工業地帯とは別ルートの独立した供給システムが確立されており、この点でもリスクの分散がなされている。ちなみに、これらの要素が高く評価され、内閣官房と経済産業省による国土やエネルギー基盤の強靭化に資する事例にも選定されている。
また同発電所は、2014年9月に東京ガスと締結した契約にもとづいて、同社から都市ガスの供給を受け、最新鋭のガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電方式を導入、国内最高レベルの効率による発電を実現した。さらに、高性能な環境設備を導入することで、排ガスに含まれる窒素酸化物を相当程度低減させる。
鉄鋼のイメージが強い会社が電力事業を?という意外性の一方で、質量ともに優れたエネルギーを社会に提供し続ける神戸製鋼所の取り組み。これもまた、広く世の中に貢献していくための当社の大事な矜持のひとつである。


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